交通事故サポートよくある質問(Q&A)

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  3. 頚椎捻挫(むち打ち)・腰椎捻挫
  4. むち打ちのため、頭痛が持続していますが、こういうことはありますか(むち打ちの慢性期症状)

アウル東京法律事務所で、交通事故や事務所全般に関することでよくご質問(相談)を受ける内容とその回答です。

頚椎捻挫(むち打ち)・腰椎捻挫むち打ちのため、頭痛が持続していますが、こういうことはありますか(むち打ちの慢性期症状)


【ご質問】


むち打ちのため、頭痛が持続していますが、こういうことはありますか?


【ご回答】


アウル東京法律事務所では、交通事故の相談をお受けしていますが、むち打ちのため頭痛が持続しているという方は、比較的多く見受けられます。


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データから見る、むち打ちによる頭痛

文献(遠藤健司『むち打ち損傷ハンドブック第2版』36頁)によれば、

「頭痛は、頸部痛に次いで2番目に多いむち打ち損傷後の症状である。慢性化した場合の78%に頭痛があるという報告がある」とされています。


むち打ちによる頭痛の発生メカニズム

交通事故によるむち打ちを起因とする頭痛については、おおざっぱに解説すると、以下のようにして起こるのではないかと考えられます(あくまで、考えうるメカニズムの一つであり、むち打ちを原因とする全ての頭痛に当てはまるわけではありません)。

頚椎には、それぞれの部位に応じて、神経を支配している領域があります。

頚椎のうち、C2という部分は、後頭部の感覚を支配しています。

すると、交通事故により頭部が大きく揺さぶられ、C2部分の神経根が圧迫等されることにより、これが痛み刺激となり、この刺激が三叉神経(脳の神経です)を通して、三叉神経第一枝領域(額など、頭の部分のことです)に痛みとして出現するというわけです。

このほか、低髄液減圧症や脳脊髄液減少症なども原因として考えられます(この分野は、非常に争いが大きい分野です)。


国際頭痛分類による、むち打ち損傷による慢性頭痛

なお、国際頭痛分類では、以下のようなものが、むち打ち損傷による慢性頭痛と分類されているようです(栗宇一樹・古笛恵子編『交通事故によるむち打ち損傷問題第二版』40頁より引用)。

A C及びDを満たす頭痛で、頭痛の正常に特有なものはない
B むち打ちを経験しており、その際に頚部痛を伴う
C 頭痛はむち打ち損傷後、7日以内に出現する
D 頭痛はむち打ち損傷後、3か月以上持続する

※後遺障害の等級認定基準ではありません。このほか、頚原性頭痛の診断基準などがあります。

この診断基準で注目すべき点は、『C 頭痛はむち打ち損傷後、7日以内に出現する』という点かと考えられます。

というのも、交通事故から1週間以上経過してから頭痛が生じているとなると、交通事故が原因ではないのではないか(因果関係が存在しないのではないか)、という疑いを抱かせるおそれがあると考えられるからです。

因果関係を否定されないためにも、交通事故後、痛みを感じたらできるだけ早く病院に行き、そしてきちんと自分の症状を伝えて治療を受けるべきです。


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