【ご質問】
深部腱反射テストとは、何ですか？
【ご回答】
深部腱反射テストとは、筋肉に伸展刺激を与えた時に起こる、筋萎縮の反応を見る、神経学的検査です。
むち打ちや頚椎捻挫の後遺障害等級認定にあたっては、重要と考えられます。
深部腱反射テストの方法
深部腱反射は、腱をゴムのハンマーなどで打診して、反射の程度をみる検査方法です。
たとえば、膝の頭をたたくと、脚が跳ね上がる、というのを学校で習ったことはありませんか？
深部腱反射とは、同じように、腱に打診をして、正常な反射が返ってくるか否かを見る検査方法なのです。
異常な反応が出ている場合には、せき髄もしくは末梢神経に障害が生じている可能性があります。
筋肉と頚椎の対応部位
以下の表のように、筋肉と神経支配部位とが対応しています。
たとえば、C5/6に椎間板ヘルニアが見つかり、上腕二頭筋反射が低下しているとなると、むち打ちによる神経障害について、医学的な証明または説明ができる可能性が高いといえるでしょう。
| 三角筋反射 | C4～C6 |
| 上腕二頭筋反射 | C5、C6 |
| 腕橈骨筋反射 | C5～C7 |
| 上腕三頭筋反射 | C7、C8 |
深部腱反射検査の反応の見かた
せき髄や大脳に障害あるような場合には、反射が亢進します。
一方、神経根に異常がある場合など、末梢神経に異常がある場合には、反射は低下ないし消失します。
医師は、プラスやマイナスで検査結果を記載しますが、以下のように見ます。
| 亢進 | +++ |
| 軽度亢進 | ++ |
| 正常 | + |
| 低下 | ± |
| 消失 | - |
深部腱反射テストは重要か？
深部腱反射テストは、後遺障害の等級認定をねらう上で重要な検査と考えられます。
深部腱反射は、文字通り、反射を見るものですので比較的客観性が高い検査方法と考えられるからです（意識を集中させていると、反射があらわれにくくなるので、その点に注意は必要ですが）。
深部腱反射で異常な反応が見られ、しかも、それに対応する頚椎に椎間板ヘルニアがみられるような場合には、医学的な証明が可能なレベルともいえると考えられます（つまり、14級ではなく、12級が認定される可能性もあるでしょう）。
14級の後遺障害慰謝料が110万円なのに対し、12級の後遺障害慰謝料は290万円ですので、慰謝料だけを見ても大きな違いがありますので、ご注意ください（いずれも赤い本基準）。