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アウル東京法律事務所でお受けした交通事故事件の解決事例や、交通事故に関する計算例・裁判例を紹介します。

計算例・裁判例会社員が、交通事故により頚椎捻挫(むち打ち)と診断され、後遺障害等級14級が認定された場合の計算例


事例


被害者は、年収450万円、37歳の会社員。
自動車運転中、信号待ちで自動車を停車させていたところ、後ろから加害自動車に追突されました。
首に痛みを感じたため、病院に行ったところ、頚椎捻挫(いわゆるむち打ち)と診断されました。
病院には、週3~4回のペースで6か月間(180日間)通院しました。実通院日数は93日でした。
首の痛みは残っていたものの、これ以上治療をしても、治療による改善はみられないだろう、ということで症状固定とされました。
その後、MRIでの異常は認められず、他覚的所見は認められないものの、医学的に痛みの説明が可能であるとして、自賠責では後遺障害等級が14級9号として認定されたという事例です(仮定的事例)。


裁判基準での計算例


上記のような事例で、裁判基準で計算すると、慰謝料等はいくらになるでしょうか。
自賠責保険基準と比較すると、計約145万4000円の増額余地(150万600円→296万円)が考えられます。

内訳は、以下のとおりです。


傷害慰謝料(入通院慰謝料)

傷害慰謝料は、通院期間や通院日数に応じて算出されます。

裁判基準(赤い本基準)の傷害慰謝料は、入院なし、通院6か月の場合の傷害慰謝料は89万円となります(別表Ⅱを使用)。

ちなみに、自賠責基準の慰謝料は、75万6000円(=4200円×180日)となると考えられますから、自賠責基準と比べると、13万4000円の増額余地があると言えるでしょう(もっとも、自賠責保険の場合は傷害部分の限度額は計120万円ですので、自賠責保険から75万6000円全額の傷害慰謝料を全額もらえることは、それほど多くないでしょうから、注意されてください)。


後遺障害慰謝料

後遺障害が認定された場合には、傷害慰謝料とは別に(プラスして)慰謝料の請求が可能となります。

14級9号が認定された場合の裁判基準の後遺障害慰謝料は、110万円となります。

自賠責保険の後遺障害慰謝料は、32万円ですので、自賠責基準に比して、78万円もの増額余地があることになります。


後遺症による逸失利益

痛みなどの後遺障害が残ってしまった場合には、後遺症慰謝料に加え、逸失利益も請求可能と考えられます。

裁判基準での逸失利益は、97万4137円と計算できます。

これは、少々複雑な計算式となりますが、450万円(年収)×0.05(14級の労働能力喪失率)×4.3295(労働能力喪失期間5年に対応するライプニッツ係数)として計算しております。

労働能力喪失期間を5年としているのは、むち打ちで14級が認定された場合、労働能力喪失期間が3年~5年程度に制限される例が多いためです。

自賠責保険では、14級の場合の後遺障害の保険金限度額は、75万円とされています(後遺症慰謝料含む)。

弁護士の経験上、任意保険会社も、自賠責の限度額を踏まえ、後遺症慰謝料を32万円、後遺症による逸失利益を43万円程度とする例が多いように思われますので、注意が必要です。

自賠責保険の限度額75万円から後遺症慰謝料分32万円を差し引いた金額である、43万円から比較すると、約54万円の増額余地があるとえいるでしょう。


その他若干の解説

このほか、被害者は、加害者に対して、治療費や休業損害等の請求ができますが、弁護士の経験上、治療費は全額、休業損害も、サラリーマンの場合には、裁判基準にあわせて全額支払ってくる保険会社が多いように思われますので、ここでは解説を省略します。


※本記事の事例は、当事務所で実際に扱った事件の解決事例ではなく、計算例です。
また、本記事の通りの示談金を獲得できることを保障するものではなく、一計算例に過ぎませんので、ご注意ください。


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