【ご質問】
MRIを受けましたが、異常なしとされました。後遺症認定は無理ですか?
【ご回答】
そんなことはありません。
まずは、受けたMRIが何テスラのものだったか、確認しましょう。
0.5~1.5テスラだった場合には、3テスラ以上のMRIを受けることで、異常が確認されることがあります。
また、MRIで異常が見つからなくとも、むち打ちや頚椎捻挫、あるいは腰椎捻挫による後遺障害の等級認定の可能性はあります。
症状固定後も、痛みやしびれなどの神経症状が残存している場合には、最初から諦めず、後遺障害の申請をしてみるべきです。
非該当となってしまった方についても、アウル東京法律事務所は無料法律相談を行っておりますので、まずはご相談ください。
むち打ち・頚椎捻挫・腰椎捻挫で後遺障害の等級認定を受けるには
むち打ち等で、後遺障害の等級認定を受けるためには、簡単に解説すると、以下のような条件が必要と考えられます。
12級13号:神経症状などが医学的に証明しるうこと
14級9号:神経症状などが医学的に説明可能であること
MRIは重要
むち打ちや腰椎捻挫では、椎間板ヘルニアになることがあります。
MRI検査を受けると、このような椎間板ヘルニアが画像上も明らかになります。
MRI画像という動かしがたい証拠で異常が見つかっていれば、医学的な証明ないし説明をする際にも、強力な手がかりになりえます。
そのため、私は、自身のこれまでの経験も踏まえ、むち打ちや腰椎捻挫と診断され、症状固定後も痛みなどが残っている方には、MRI検査を受けるようにアドバイスすることが多いです。
MRIは機器によって差がある
ただ、単純にMRIといっても、実は、どのMRIもまったく同じ性能というわけではありません。
技術は日々進歩していきます。
たとえば、デジタルカメラを思い浮かべてください。
10年前のデジタルカメラと現在のデジタルカメラ、どちらが高性能かというと、断然、現在のデジタルカメラでしょう(価格や商品の性能にもよりますが)。
同じようなことがMRIにも言えます。
古いMRIでは頚椎・腰椎に見つからなかったのに、新しいMRIを用いることで異常が発見されるということがあるのです。
なぜ、3テスラ以上か
MRIのテスラというのは、いわば解像度です。
1.5テスラのものが普及しているようですが、3テスラ以上のもののほうが鮮明に映ります。
もっとも、1.5テスラじゃ全然ダメというわけではありません。
1.5テスラのMRIでも、異常が見つかることはあります。
ただ、1.5テスラのものは、古いものもあり、古いMRIでは異常が発見できないということがあり得ます。
3テスラ以上のものをおすすめする理由は、もちろん、画像の鮮明さというところもありますが、3テスラ以上のMRIは最近普及しはじめたものなので、たいてい、新しいからです。
3テスラ以上のMRIでも異常が見つからなかったら
とはいえ、3テスラ以上のMRIを用いても、画像上の異常が発見できないことがあります。
むち打ちによる神経症状は、様々な原因が考えられます。
たとえば、バレー・リュー症候群であれば、どんな高精細なものを使っても、そもそも、MRIでの異常は見つからないでしょう。
もっとも、MRIで異常が見つからなかったからといって、後遺症認定をあきらめる必要はありません。
むち打ちや頚椎捻挫の原因を探る神経学的検査を行うことや、きちんと通院を続けることで、14級が認定される可能性はあるでしょう。