交通事故サポートよくある質問(Q&A)

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  4. むち打ちによる眼症状(複視・遠視(老眼)・視力障害など)について教えてください(むち打ちの慢性期症状)

アウル東京法律事務所で、交通事故や事務所全般に関することでよくご質問(相談)を受ける内容とその回答です。

頚椎捻挫(むち打ち)・腰椎捻挫むち打ちによる眼症状(複視・遠視(老眼)・視力障害など)について教えてください(むち打ちの慢性期症状)


【ご質問】


むち打ちによる眼症状(複視・遠視(老眼)・視力障害など)について教えてください


【ご回答】


そもそも、むち打ちで眼に症状が現れることを不思議に感じられるかもしれません。

しかし、交通事故による衝撃のため、交感神経に異常が生じたり、前庭神経核が病的に刺激されることにより調節機能障害が起こることが実際にあり得ます。

交通事故のため、眼症状が生じること自体、おかしなことではありませんので、すぐに病院で治療を受けるべきでしょう。


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データから見る、むち打ち損傷による眼症状

文献(遠藤健司『むち打ち損傷ハンドブック第2版』41頁)によれば、

「眼症状は、むち打ち損傷の35%で出現すると報告されてい」ます。

データから見ても、交通事故による、むち打ち損傷のため、調節機能障害などの眼症状が生じることは、十分にあり得ることといえます。


視力障害(視力低下など)

交通事故による衝撃のため、眼球が傷ついたり、視神経が損傷された場合には、視力低下が発生しえます(もっとも、この場合は、むち打ち(首)が原因ではありませんので、視力障害(後遺障害)について、確認されると良いでしょう)。

また、眼球や視神経に異常が生じなくとも、むち打ち損傷の類型の一つとして考えられる、バレー・リュー症候群では、交感神経に異常が生じ、結果、視力低下が生じることがありえます。

バレー・リュー症候群が視力低下の原因の場合には、検査をしても、眼球損傷や視神経損傷は見つからないでしょうから、後遺障害の等級認定は、視力障害としてのものではなく、神経症状としての12級か14級となるでしょう。

認定される等級に違いが生じるのは、自律神経系の異常による視力低下は、概して一過性のもので、生涯継続するとは考え難いためです。


運動機能障害(複視など)

むち打ちで調節機能障害が起こる原因の一つとして、前庭眼反射(vestibular-ocular refiex)の関与が考えられます。前庭眼反射とは、以下のようなものです。

たとえば、1点を見つめながら、頭を左右に振ってみてください。

そうすると、自分で意識しなくても、眼球が頭の回転方向とは逆方向に動くはずです。

これを前庭眼反射といいます。

前庭眼反射は、とくに脳幹網様体の制御下にあり、頸部から多くの求心性入力を持っています。

むち打ちで頸部に異常が生じると、上行性の異常興奮となって、前庭神経を介して眼球運動に異常をもたらすのです。

すると、眼球の運動機能障害のため、複視になったり、うまく調節機能が働かず、視界がぼやけたりするのです。


調節機能障害(老眼(遠視)など)

むち打ちのため、うまくピントを合わせることができなくなり、老眼(遠視)になるということがあるようです。

原因の一つとして、神経の異常が考えられます。

すなわち、副交感神経は近くを見るために、眼の調節をする機能を支配しており、交感神経は、遠くを見るために、眼の調節をする機能を支配していますが、一方の神経に異常が生じると、うまく眼球の調節をできなくなるからです。


眼の痛みなど

このほか、むち打ち損傷のため、三叉神経が刺激され、眼痛が起こることなどが考えられます。


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