今回の交通事故案件の概要
今回、ご紹介する案件は交通事故のため、膝の後十字靭帯損傷、外側半月板損傷などのケガをした方の案件です。
約1年半にわたり治療を受けていったものの、膝の関節動揺の後遺障害が残ってしまいました。
認定された後遺障害等級は12級でした。
後遺障害等級が認定されたは良いものの、加害者側保険会社からは、被害者と加害者との間の信号の色について争われました。
今回の事故は信号のある交差点での事故だったのですが、被害者の認識は、『被害者が青信号、加害者側の信号の色はわからない』というものでした。
これに対し、加害者側保険会社は『被害者側が赤信号、加害者側は青の矢印信号』だったという主張で言い分が全面的に対立している案件でした。
保険会社の言い分に従うと被害者側の過失は極めて大きいので、本来は被害者側から加害者に対して、既払い金のうち約390万円を返還しないといけないものの、返還請求はせず、10万円で示談をしてやる、というかなり強気の対応でした。
弁護士のポイント~徹底的に争いました~
アウル東京法律事務所では、交渉により解決している事例も多いのでまずは交渉を試みましたが、ここまで言い分が対立しているケースでしたので、双方の歩み寄りはできませんでした。
そこで相手の主張の根拠について開示を求め、相手方主張の不正確な点を突き、徹底して争いました。
最終的には加害者側の言い分はほぼ崩れ、タイトルのとおり約1035万円を獲得することに成功しました(和解前に自賠責から損害賠償金として224万円を受け取っていたので、実際の和解金額としては約811万円となります)。
徹底的に争うことで開ける道もある
今回のケースは初めからこちらの勝ちが見えていた案件ではありません。
信号の色について争われている事案では、当事者の言い分くらいしか証拠がありません。
そのため、依頼者の主張をもとにして、なかば手探りの状態ではじめるしかありませんでした。
ただ、こういったケースでは、加害者側"も"決定的な証拠を持っていることは稀です。
そのため、加害者が非常に強気な主張をしてくるケースでも根拠が薄弱だったり、矛盾点があったりすることがあります。
今回のケースでも、相手方主張を詳細に分析した結果の大幅増額となります。
このように、徹底的に争うことによって道が開けるケースもあります。
交通事故で悩んでいることがあれば、まずは弁護士に相談することをおすすめします。