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2015.04.06交通事故について交通事故事件における弁護士の役割その5~示談交渉~


まとめると


・弁護士の役割は訴訟だけではない。交渉で解決する方法もありうる

・相手方保険会社は、「どうせ裁判なんかしないだろう」と足元を見て、裁判基準よりも低額の慰謝料等を提示してくることがある

・裁判を仕事としている弁護士が交渉することで、増額の可能性がある

※増額されるかどうかはケースバイケースなので、依頼の前に、まずは弁護士に相談されることをおすすめします


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訴訟をすることだけが弁護士の役割ではない


弁護士というと、訴訟を思い浮かべられる方が多いでしょう。

これは間違いとは言えません。

地裁以上の訴訟代理権は弁護士にしか代理人ありませんし、弁護士の中には、業務のうち、訴訟が占める割合が大きい方が多いでしょうから。

しかしながら、弁護士は裁判(訴訟)しか扱えない、というものではありません

また、紛争解決の方法は訴訟だけには限られません。


交渉による解決


紛争以外の解決方法として、今回は、交渉による解決にふれていきます。

交渉というのは、文字通り、弁護士が代理人となって、交通事故の加害者またはその保険会社と損害賠償金額について話し合うという方法です。


弁護士が交渉を行うメリット


交渉は、交通事故の被害者本人でもできます。

また、訴訟と違って、専門的な知識がなくとも、できないことはありません。

それでは、交渉で解決する場合には、弁護士に依頼する意味がないのでしょうか? いいえ、そんなことはないでしょう。


加害者側の保険会社は、被害者の味方ではない

交通事故の加害者が任意保険に加入している場合、その保険会社が示談交渉をするのが一般的です(示談代行)。

保険会社も商売でやっていますので、簡単に言うと、収入(保険料)を増やし、支出(保険金)を減らさなくては儲けが出ません。

支払う損害賠償金を減らせば減らすほど、保険会社の利益が出るという仕組みになっています。

また、交通事故の損害賠償で厄介なところは、慰謝料や休業損害の金額が法律で一義的に決まっているわけではない、という点です。

たとえば、スーパーで100円のチョコレートをレジに持っていったとします。

この場合に、買主がスーパーに支払うべき代金は、100円であることは誰の目から見てもあきらかでしょう。

これは、双方の合意で100円でチョコレートを買うと決めたからです(売買契約)。

これに対し、交通事故の加害者は、被害者がケガをした場合、慰謝料や休業損害を、損害賠償として支払わなければいけなくなるのが一般的ですが、この金額をいくらにすべきか法律で決まっているわけではありません。

たしかに、慰謝料の相場などはありますが、これはあくまでも相場に過ぎません。

赤い本基準の慰謝料より低い金額の慰謝料しか払わなかったからといって、違法になるわけではありません。

このことは、加害者の保険会社も当然、熟知しているでしょう。

すると、これが任意保険基準です、これしか払えませんなどと言って、裁判基準より低い金額での示談をはかろうとする保険会社が多いです。


弁護士に交渉を任せることで、なぜ、示談金額が増額される可能性があるか

弁護士に任せたからと言って、絶対に損害賠償金額が増額されるというわけではありません。

しかしながら、経験上、弁護士が被害者側の代理人として介入することによって、示談金額も増額されることが多いです。

これはなぜでしょうか。

弁護士は口が達者だからでしょうか?

いいえ、それよりも根本的な理由があるからではないかと考えられます。

すなわち、加害者側が裁判基準より低い示談金額を提示してくる理由としては、「どうせ裁判なんか起こせないだろう。起こすにしても、弁護士費用がかかるから諦めるだろう」と足元を見ているからではないかと考えられます。

弁護士は、裁判をすることだけが仕事というわけではありませんが、裁判が大きな割合を占めているのが一般的です。

弁護士が出ていくことにより、相手方保険会社としても、訴訟を警戒し、示談金額を増額してくれる可能性があるというわけです。

簡単に説明すると、「裁判なんて起こせないだろうから」とタカをくくっているからこそ、裁判を仕事としている弁護士が代理人となることで、「どうせ裁判をされたら裁判基準の慰謝料等を払わなくちゃいけないんだから、めんどくさい裁判になる前に払ってしまおう」という気持ちにさせるわけです(もちろん、全てのケースで増額されるわけではありません)。

このように、交渉だけで示談金額が増額されるケースもあります。

弁護士に依頼するとなると、裁判までしなくちゃいけないのか、と敬遠したくなる方もいるでしょうが、弁護士は訴訟だけが仕事ではありません。

裁判以外の解決方法もありますので、迷ったら、まずは弁護士に相談されてはいかがでしょうか。


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