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2016.10.04交通事故について自営業者が交通事故の被害にあったとき、確定申告をしていたか否かは重要です


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交通事故の被害にあって、ケガをしてしまった場合には仕事を休まなければいけないことがあります。

仕事を休むと一部の職種を除いて収入も減少してしまうでしょう。

このような場合には加害者に対して休業損害の請求ができますし、後遺症が残って収入が減少した場合には逸失利益というものも請求できます。

このような休業損害の立証は給与所得者であれば比較的簡単です。

勤務先に「休業損害証明書」というものを書いてもらえば立証できるのが一般的です。


自営業者の休業損害立証は確定申告書で


これに対して、今回のテーマである自営業者の場合には前年度の確定申告書をもとに休業損害を立証するのが一般的です。

具体的には、確定申告書の申告所得額(青色申告の場合には青色申告特別控除前の所得)を基礎として、家賃等の固定費を加算していくことで算出します。


確定申告をしていない自営業者はどう立証するの?


しかしながら、世の中には確定申告をされていない自営業者の方も珍しくありません。

そういった場合にはどうやって所得を立証していけば良いのでしょうか。

確定申告をしていない場合には賃金センサスをもとに休業損害が支払われる、としているものもありますが、現実にはそう簡単にはいきません。

どのような所得があって、それが交通事故によってどれだけの損害を受けたかということの立証責任はあくまでも被害者側にあります。

「確定申告していません」→「じゃあ、賃金センサスの平均賃金で」

という簡単な流れにはなりません。

この点を立証できなければ立証不十分として一切の休業損害が認められないこともあります。

確定申告をしていない場合には日々の収入と経費をこと細かに立証していく必要があるでしょう。

ちなみに、通帳の記載を示して収入だけを立証されているケースもあるようですが、これだけでは裁判所から立証不十分と指摘されかねません。

なんの経費もかけずに収入を得られる事業はないでしょう。

きちんと会計帳簿をもとにいったいどのような経費がかかっているかも立証していく必要があるでしょう。

もちろん、経費についても立証したところで、「休業損害や逸失利益を多くとりたいがために経費を少なく申告しているんじゃないか」という疑いをもたれることもあります。

このように確定申告をしていない自営業者の方はかなり苦しい立証を強いられることになります。


確定申告はしていてもしていなくても交通事故の被害にあったら弁護士に相談を


確定申告をしないとこのような不利益があるだけでなく、無申告加算税などの制裁もありますので、きちんとするようにしましょう。

しかし、確定申告をしていたらまったく問題ない、というわけにもいかないのが交通事故被害の厄介なところです。

確定申告をしていた場合でも休業日数等をめぐって、自営業者の休業損害は争われる傾向にあります。

確定申告をしていた方も、していなかった方も交通事故の被害にあったら弁護士へのご相談をおすすめします。


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