ブログ

  1. 交通事故の弁護士相談「アウル東京法律事務所」
  2. ブログ
  3. 交通事故について
  4. 交通事故の過失割合は、保険会社や調査会社が決めるものじゃない

アウル東京法律事務所に所属する弁護士等のブログです。交通事故に関することや事務所全般のお知らせ等があります。

2015.01.20交通事故について交通事故の過失割合は、保険会社や調査会社が決めるものじゃない


まとめると


・過失割合は、保険会社や調査会社が一方的に決定できるものではない

・双方当事者の合意にによって決めるもの

・合意に至らないような場合には、最終的には、裁判で決める

・裁判以外に、中立の第三者に判断を求める手段もあるので注意


flower7.jpg


交通事故の過失相殺


交通事故の被害者が損害賠償請求をする際、しばしば過失相殺が問題になることがあります。

過失相殺とは、基本的には加害者のほうに責任があるとしても、被害者に何らかの落ち度がある場合、その落ち度の分、損害賠償の金額を減額される、というものです。

たとえば、過失割合が20(被害者):80(加害者)で、過失相殺前の損害賠償金(慰謝料だけでなく、治療費等も含め)が100万円だとします。

この場合には、損害賠償金が20%減額されて、被害者は80万円しか受け取れない、ということとなります。

交通事故の過失割合は、損害賠償金額全体にからんできますので、大きな争点となることもあります。


過失割合は誰が決めるの?


では、この重要な過失割合は、いったい、誰が決めるのでしょうか。


加害者の保険会社が決める?

ときおり、「過失割合は保険会社が決めるものだ」と言われた、というご相談をお受けすることがあります。

これはもちろん、間違いです。

保険会社が過失割合を一方的に定める権限なんてありません。

ただ、保険会社は、何らかの根拠(たとえば判例タイムズ)をもって主張していることが多いので、言い分をまったく無視するのは危険です。


調査会社が決める?

過失割合が問題になる事例だと、相手損保が調査会社をいれることがあります。

調査会社と言われると、中立の第三者というイメージから、調査会社が決めるのか、と勘違いされる方もいらっしゃいます。

でも、これも間違いです。

調査会社が過失割合を法的に決定する権限はありません。


弁護士が決める?

相手方の保険会社が、交通事故の交渉を弁護士に依頼することがありますが、もちろん、弁護士も過失割合を一方的に決定する権限はありません。

保険会社(加害者)から依頼を受けた弁護士は、あくまで加害者の利益のために行動するのが一般的です。

中立の第三者なんかでもありません。


合意に至らなければ、最終的には裁判所が決める

過失割合は、基本的に、当事者双方の合意によって決まります。

相手が過失割合を提示してきても、その割合で合意しなければ、過失は決まりません。

ただ、過失割合でもめた際に、そのすべてが合意に至るとは限りません。

双方の主張が対立したまま、平行線をたどることがあります。

このように、双方が合意に至らなければ、最終的には、裁判所が判断をすることとなります(訴訟となった場合が前提ですが)。


裁判以外の解決手段にも注意

裁判というと、さすがにそこまでは......と思う方も多くいらっしゃるでしょう。

ただ、過失割合について、裁判のほかに、中立の第三者が判断してくれる場合もあります。

たとえば、交通事故紛争処理センターの和解あっせん、裁定等、裁判以外の方法でも、中立の第三者に判断を求める手段はありますので、注意が必要です。


トップへ戻る