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2014.07.14NEWS中間利息の引下げへ(交通事故の逸失利益などへの影響)


先日、毎日新聞で以下の記事が取り上げられました。

交通事故「中間利息」:現状5%から3%に下げて変動制へ

交通事故被害の事案では、逸失利益など将来もらえるはずのお金を請求することがあります。

10年後、20年後という将来もらえるはずだったお金をもらう場合、加害者のほうは、このような主張をするはずです。

「現在の100万円と10年後に支払う100万円は同じ価値ではない。
100万円を10年間貯金する等して運用すれば、10年後には、100万円以上になっているはずだ。
10年後の100万円を今支払うのなら、その分ディスカウントをするべきだ」

このような主張は、中間利息の控除と言います。

たとえば、10年後の100万円は現在の価値に直すと、61万3900円程度となります。

これは、61万3900円を年利5%で運用していけば、10年後には約100万円になっているからです。

中間利息5%の疑問


5%という中間利息は民法の法定利率を参考に決められています。

ただ、この5%で運用できれば、という過程ですが、超低金利時代の昨今、あまりにも非現実的ではないかという批判がありました。
(もっとも、その批判に対しては、金利というのうは一定ではなく、時代によって増減するものだから、長い目で見れば合理的だという反論もされていました)

実際、現在の金融市場で、年間5%もの利益を出そうとすると、ハイリスクな投資をしなければいけないでしょう。

つまりは、年間5%もの利益を出すという裁判所の前提は非現実的すぎる、実際には、被害者がかなり損を強いられていたのではないかというものです。

これらの批判を受けて、中間利息を3%に引き下げた上で、3年に1度、金利の見直しをするという法改正が検討されているようです。

中間利息が5%から3%に引き下げられれば、被害者が獲得できる金額も大きく変わってきます。

これは、非常に重要な法改正ですので、今後も注目していきたいところです。

保険料への影響


影響の一つとして、記事でも触れられているように、保険会社が支払う賠償金の増額が予測されます。

これに伴い、自動車保険料の値上がりも予測されます。


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