【ご質問】
FNSテストとは何ですか?
【ご回答】
FNSテストとは、腰部(大腿部)の神経学的テストの一種です。
正確には、大腿神経伸長テスト(Femoral Nerve Stretching Test)といいます。
大腿部の神経根(L2、L3、L4)に異常がある場合、陽性反応が出ます。
FNSテストが陽性となった場合には、後遺症を立証する上で有意な資料となると考えられます。
FNSテストの実施方法
簡単に解説すると以下のとおりとなりますが、医師に実施してもらってください。
まず、患者が腹ばい(うつ伏せ)になります。
その後、片足の膝を90度になるように屈曲させた上で、股関節を伸ばすようにして、足を上にあげていきます。
(片方の手で、患者のお尻のあたりをおさえ、もう片方の手で患者の片足をもって、上に伸ばしていきます)
大腿神経(L2、L3、L4)の神経根に異常がある場合には、太ももの前面のあたりに痛みが出ます。
FNSテストとラセーグテスト・SLRテストの違い
FNSテストは、大腿神経の神経根症状誘発テストです。
対応するのは、L2、L3、L4の神経です。
これに対し、ラセーグテストやSLRテストは、坐骨神経の神経根症状誘発テストです。
対応するのは、L4、L5、S1、S2、S3の神経根です。
たとえば、L2の神経根に椎間板ヘルニアがある場合に、FNSテストで陽性反応が出れば、神経症状の裏付けとなり、強力な立証資料になり得ると考えられます。
これに対し、ラセーグテストやSLRテストで陽性反応が出ても、部位が対応していないので、有力な資料とはならないでしょう。
このように、MRIの検査結果と神経根症状誘発テストとは、相互の対応関係を重視する必要があると考えられますので、注意が必要です。