交通事故損害賠償の知識

  1. 交通事故の弁護士相談「アウル東京法律事務所」
  2. 交通事故 損害賠償の知識
  3. 障害が残った部位に応じた後遺障害
  4. 手指の欠損障害(交通事故に伴う後遺障害の解説)

障害が残った部位に応じた後遺障害

手指の欠損障害(交通事故に伴う後遺障害の解説)


1.認定されうる後遺障害等級


3級5号:両手の手指の全部を失ったもの
6級8号:1つの手のうち、5つの手指、または、親指を含む4つの手指を失ったもの
7級6号:1つの手のうち、親指を含む3つの手指を失ったもの、または、親指以外の4つの手指を失ったもの
8級3号:1つの手のうち、親指を含む2つの手指を失ったもの、または、親指以外の3つの手指を失ったもの
9級12号:1つの手のうち、親指、または、親指以外の2つの手指を失ったもの
11級8号:1つの手のうち、人差し指、中指、または薬指を失ったもの
12級9号:1つの手のうち、小指を失ったもの

13級7号:1つの手のうち、親指の指骨の一部を失ったもの
14級6号:1つの手のうち、親指以外の手指の指骨の一部を失ったもの

※わかりやすくするため、多少表現を変えています。


2.手指を失ったものとは


手指の欠損障害では、上記のとおり、3級~14級までが後遺障害等級として認定可能性があります。

ただ、3級~12級までは、手指を「失ったもの」と表現されているのに対し、13級と14級とでは、「指骨の一部を失ったもの」とわけて記載されています。

これは、指を失ってしまった程度に応じて、わけているのです。

では、「手指を失った」というのは、どの程度を意味するのでしょうか。

簡単に解説すると、必ずしも指の付け根から全て失ってしまった場合だけが「失ったもの」に当たるわけではありません。

親指については、第一関節以上、他の指については、第二関節以上を失ってしまった場合がこれに当たります。

それ以外、たとえば、小指の第一関節部分(指先のところです)で切断されていても、「失ったもの」ではなく、「指骨の一部を失ったもの」に該当するというわけです。


詳細解説

これらは、正確には、以下のとおり表現されています。

手指を失ったものとは、母指は指節間関節、その他の手指は近位指節間関節以上をうしなったものを意味します。

具体的には、

(1)手指を中指骨又は基節骨で切断したもの

(2)近位指節間関節(母指にあっては指節間関節)において、基節骨と中節骨とを離断したもの


3.指骨の一部を失ったものについて


指骨の一部を失った場合には、後遺障害等級としては、13級もしくは14級が認定される可能性があります。

もっとも、指骨の一部を失ったというのは、必ずしも、指の切断だけを意味するものではないことに注意が必要です。

たとえば、骨の一部が欠けてしまって、遊離骨片の状態になっていることがレントゲン写真(X線写真)で確認できるような場合も含まれます。


4.逸失利益に注意


手指の欠損障害が認められた場合、逸失利益が争いになることがままあります。

たとえば、一部の指を失ってしまっても、他の指でカバーすることによって、現実の収入は減少しないというケースも多いからです。このようなケースでは、保険会社側も、「現実の収入が減少していなんだから、逸失利益も存在しないはずだ」と争ってくることが多いのではないでしょうか。

ただ、逸失利益というのは、現在の収入減少ではなく、将来の収入減少をも見据えた請求です。

そのため、仕事にどの程度の影響が出ているか、転職可能性の制限等を立証していくことによって、逸失利益を求めていくことが必要になるでしょう。

自分では難しいと思われたら、弁護士に相談することも検討されてください。


トップへ戻る